Dimension W ディメンション ダブリュー

special

2015/11/20 chapter.03 プロデューサー

ロゼがお送りする今回の「Wの扉」は、
『Dimension W』でプロデューサーをつとめる、
Studio 3Hzの松家雄一郎さんに、プロデューサーの役割についてうかがいました。

みなさんは、アニメのプロデューサーというお仕事にどんなイメージをお持ちでしょうか。
OPの最初のほうに名前が出てくる、何となく偉い人?
具体的にどんなお仕事をしているのか、なかなかわかりにくいのではないでしょうか。

「ひとくちにプロデューサーといっても、いろいろなプロデューサーがいます。
企画を承認してお金を出すかどうか判断をする、“エグゼクティブ・プロデューサー”と呼ばれる人たち。
制作現場に対して『こういう作品にしてほしい』と伝える、いわゆる“プロデューサー”。
さらに、作品制作や内容をより具体的にコントロールする“アニメーション・プロデューサー”や“ライン・プロデューサー“。
共通するのは「作品を具体的に形にする手伝いをする」ということかなと思います。
お金(予算)と、人(スタッフ)と、時間(スケジュール)と、そして今作のように原作ものであれば、すばらしい原作を持ってくる。
そういう仕事といえるかもしれません」(松家)。


原作ものの場合、制作スタジオは「この作品のアニメを制作してほしい」という依頼を受けて、仕事がスタートするケースも多いそうですが、
今回の『Dimension W』では、松家さんは最初の立ち上げ時点から企画に関わっていたそうです。

「原作の第2巻が出た頃だったと思いますが、以前からお付き合いがあったバンダイビジュアルの中路亮輔プロデューサーから、
『こんな作品があるから、企画を出してみないか』と誘われて、
一緒に(原作版元のスクウェア・エニックスに提出する)企画書を書いたのがスタートです。
この時点では、亀井幹太監督にはまだ『(企画書に書く監督候補として)名前を使っていいですか』くらいのお願いしかしていませんでした。
後にキャラクターデザインをお願いする松竹徳幸さんには、企画書に載せる絵を描いていただきました」(松家)


結果、企画が成立してアニメ『Dimension W』がスタートします。
それをうけて、監督候補だった亀井監督に正式に監督をお願いし、
松竹さんやシリーズ構成の菅正太郎さんにも仕事を依頼し、
メインスタッフを固めていくのもプロデューサーとしての松家さんの仕事です。

「“この原作で、このくらいの企画の規模だったら、この監督やこのスタッフにお願いするのがベスト”というところは、
プロデューサーが今までの経験などをもとに見極めるべき、大事なポイントだと思います。
そこから先、具体的なフィルムの形にしていくのは、監督以下現場のスタッフの仕事。
監督に「あとは任せました」とバトンを渡すまでが、まずはプロデューサーの仕事かなという気が、私はしています」(松家)


そうして制作が始まると、今度は各種の打ち合わせにたちあったり、次々と発生するトラブルに対処したり……と、
プロデューサーの仕事はまだまだ終わりません。
ですが、今回はこのあたりで——。
最後に松家さんに、プロデューサーの立場から「一番、嬉しいこと」についてお聞きしてみました。

「ファンのみなさんの期待にしっかりハマった手応えを感じると、とても嬉しいです。
PVなどを観た方から“ワクワクしてきたぞ”とか、
“これは期待できそうだ”って反応を貰えると、それだけでもこちらのテンションはあがります」(松家)


「PVを観たら良かった」、「第1話を観たらおもしろかった」そんな風に感じたみなさんは、
素直にスタッフのみなさんに「良かった!」と伝えてみてはいかがでしょうか。
その先のフィルムは、さらにテンションの高い、おもしろいものになるかもしれませんよ。